前回、勤怠管理システムが管理するのは「結果」ではなく、「業務プロセス」であるとお伝えしました。
そのため、機能は膨大になり、製品開発や初期設定が難しくなります。
今回は、その膨大な機能がどのように“選別”され、結果として初期設定を容易にしているのか。
その背景について考えてみたいと思います。
実績のある製品は、ユーザー数も多く、サポートへの問い合わせも膨大です。
当然、問い合わせには対応が必要です。
しかし視点を変えると、その問い合わせは「市場のニーズ」とも言えます。
初期設定時に問い合わせが多い箇所は、分かりづらい可能性が高い。
運用段階での問い合わせは、現場からの要望や実務上の課題です。
つまり、どこが難しく、どこが本当に使われているのか。
それが日々、蓄積されています。
勤怠管理システムのバージョンアップというと、「機能追加」に目が向きがちです。
しかし実際には、機能を選別し、使用頻度の低い機能を目立たなくする、あるいは整理する改善も行われています。
これは単に減らすためではありません。
お客様が必要な機能を見つけやすくし、迷わず設定できるようにするための整理です。
実績の多い製品が、多機能でありながらシンプルに感じられるのは、この“選別”が繰り返されているからです。
法改正対応でも同じことが言えます。
労基法の改正が現実味を帯びてくると、サポートへの問い合わせが一気に増えます。
どの論点に質問が集中するのか。
どの制度が実務に影響しているのか。
市場の反応が、優先順位を教えてくれます。
問い合わせが多いものは、実装や改善の必要性が高い。
逆に、ほとんど問い合わせがないものは、現場ではあまり使われていない可能性があります。
過去の例では、高プロ、3カ月フレックス、残業60時間超の代替休暇などです。
※制度そのものを否定するものではありません。
汎用的な勤怠管理システムでは、こうした市場の反応を受けながら、機能の重み付けが行われています。
一方で、業種や業界に特化した製品は、その特有のニーズに応える設計になっています。
選択肢が多いことは良いことですが、情報を選別する力も必要になっているのが現状です。
知れば知るほど、勤怠管理システム選びは難しいですね。
今回のコラムは、ちょっと勤怠管理オタクの領域に入っちゃいました・・・。