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【サイドビュー】04‐受付システム(1999年〜2019年)

【サイドビュー】

全く売れなかった「なっちゃん」が、大手企業の受付を支える「VisitView」になるまでの軌跡

企業を訪れる人々──一般のゲスト、重要なお客様、団体、配達員の方々。セキュリティは絶対に譲れない。コストも抑えたい。企業の顔としてイメージも大事にしたいし、受付の混雑も避けたい……。

一見すると矛盾だらけの課題に、最適解を導き出すのは簡単なことではありません。求められるのは、「スムーズ」「セキュア」「シンプル」そして「ハイコストパフォーマンス」を備えた受付システム。

その答えとして生まれたのが、来訪管理受付システム「VisitView(ビジットビュー)」です。

今でこそ20年以上にわたる知見が詰まった当社の看板ソリューションですが、その歩みは決して順風満帆ではありませんでした。物語は、まったく売れなかったWebビデオ受付システム「なっちゃん」から始まります。

(01)芽吹き:失敗から生まれた「なっちゃん」【1999年〜】

1996年、私たちは通信や音声・チャット機能を組み合わせたコンポーネント製品「コミュニケーションコレクション」をリリースしました。しかし、時代の先を行きすぎたのか、ニーズを掴めず販売は完全に行き詰まってしまいます。

「売れないなら、自分たちの手でこれを活かしたアプリを作ろう!」

技術(シーズ)を無駄にしたくない一心で、Webカメラやビデオ通信を組み合わせて開発したのが、Webビデオ受付システム「なっちゃん」でした。

親しみやすさを込めて、あ行から順に「あっちゃん」「いっちゃん」……と検証し、一番しっくりきたのが「なっちゃん」。営業先で理由を聞かれると説明が照れくさく、「ナルボの”な”からです」なんて答えていたのも良い思い出です。

当時はWindows 95が普及し、インターネットが一般化し始めた時期。「企業の受付電話に代わる画期的なシステムとして、絶対に売れるはず!」と意気込んでいました。

……が、結果は全く売れませんでした。冷静に考えれば、当時の受付の取次には内線電話で十分。「わざわざインターネット電話にする理由」がどこにもなかったのです。

※ちなみに、この「連絡を取り付ける」というコンセプト自体は、現在のチャットツール(TeamsやSlackなど)連携システムの原型と言えます。もちろん1999年当時、それらのツールはまだ存在していませんでした。

(02)継続:懲りずにバージョンアップ「なっちゃん2」【2004年〜】


「なっちゃん」は1セットも売れませんでした。しかし、私たちは諦めませんでした。

Webからの事前予約機能、受付での照合、名札印刷、入退館ログ管理などの機能を大幅に拡充し、「なっちゃん2」としてリニューアル。立派なカタログも作り、精力的に営業を展開しました。

……しかし、やはり1セットも売れませんでした。「内線電話で十分」という壁は、想像以上に厚かったのです。

(03)再生:奇跡の1本のお電話から【2006年〜】


2連敗を喫し、打ちひしがれていたある日のこと。大手S社様から、一報のお問い合わせが入ります。

「10,000人規模の事業所で、毎日1,000人以上の来訪者を処理できる受付システムを探している。『なっちゃん2』について話を聞かせてほしい」

求められたのは、通話機能ではなく、「①事前予約」「②有人受付でのQRコード付き名札印刷」「③QRコード退館」「④入退館ログ管理」でした。Webサイトに掲載していたスペックを見て、見つけてくださったのです。

私たちは大急ぎでS社様の要望を徹底的に反映し、「なっちゃん3」を完成させました。

運用開始後、現地で受付の様子を見学させていただいた時の感動は今でも忘れられません。受付担当の方が、1日1,000人以上のご来訪をスムーズに、鮮やかに裁いていたのです。「私たちのシステムが、本当に役に立っている……!」胸が熱くなりました。

この実績が呼び水となり、続いて大型テナントビルを建設中のN社様からも打診が届きます。「ICカードの発券・退館機能」「複数テナントでの運用」といった要件を取り込み、「なっちゃん3」は大型施設にも対応できる強固なシステムへと進化を遂げました。

「なっちゃん」から「VisitView」へ

初期の”ビデオ電話”から大きく進化し、頼れるエンタープライズ製品となったことから、2019年に製品名を「VisitView」へと改名しました。(人気コンポーネント製品「TimeView」にあやかりつつ、「受付(受付側)」ではなく「Visit(来訪者)」の視点を大切にしたいという想いを込めています)

(04)飛躍:運命の会食と、無人受付機(KIOSK)への挑戦


2019年頃から、時代の波とともに「無人受付」のニーズが高まり始めました。QRコードの印刷なら小型プリンタで対応できますが、課題は「ICカードの自動発券機」でした。市販の機器がどうしても見つからないのです。

そんな中、KIOSK端末の製造を手掛ける株式会社ビジカの柏木さん(現COO)をご紹介いただき、打ち合わせを行いました。その後の会食で、ふと漏らした一言が運命を変えます。

「ICカードの発券機が、どこを探しても見つからなくて……」

柏木さん「あ、ありますよ」(即答)

専門業界では当たり前のユニットだったようで、灯台下暗しとはこのことでした。嬉しさのあまり、その場で試作機を発注!

この試作機(チケット・ICカード両対応)が完成して間もなく、某テレビ局様から無人受付システム導入の打診が入ります。実物のアタッチメントを使ったプレゼンが大成功を収め、見事、無人受付機の導入が決定したのです。

あの夜の会食がなければ、今の「VisitView」の無人化ソリューションは存在しなかったかもしれません。

💡 現場のこだわり:知る人ぞ知る「VisitView」の裏側

「VisitView」には、現場のストレスを1秒でも減らすためのアイデアと技術が詰まっています。

■1. ストレスゼロを目指した「ICカード事前繰出し」

チケットの印刷は進行が見えるため待たされ感(ストレス)が少ないのですが、ICカードの発券は内部動作(繰出し→読み取り→排出)のため、どうしても「待たされている」感覚が強くなります。そこでVisitViewは、発券操作の前に1枚目のカードを内部で事前に繰り出しておく制御を組み込みました。「ボタンを押した瞬間にカードが出てくる!」と、お客様に驚かれ、喜ばれる自慢の機能です。

■2. 1996年の技術が蘇った「インターフォンアプリ」

無人受付で困った来訪者様をサポートするため、警備室や受付と映像・音声で話せる「インターフォンアプリ」を自社開発。実はこの通信制御ロジック、1999年に売れなかったあの「コミュニケーションコレクション」のノウハウがそのまま活きています。

■業界唯一の「リモート発券 & 来訪票キャプチャ」

無人受付端末のカメラに来訪票をかざしてもらい、それを警備室側で確認・キャプチャして、手元の操作でリモートから入館証を発券する──。無人でありながら、まるで目の前に人がいるような手厚い対応を可能にするこの仕掛け。2026年現在、これができる受付システムは「VisitView」だけです。

(05)過去から未来へ:大手に負けない「泥臭い工夫」

大掛かりな受付システムを作るには、情報処理・機器制御・ネットワークという3つの複雑な技術が必要です。そのため、従来は大手総合電機メーカー様が莫大な費用と期間をかけてカスタム構築するのが当たり前でした。

しかし、VisitViewは違います。「短期間・低価格で、最高のシステムを届ける」ため、カスタマイズに頼らず、あらゆる運用に対応できる「1,000項目以上の設定パラメータ」を作り込みました。

これにより、データベース設計は非常に複雑になりましたが、圧倒的なコストパフォーマンスとスピード感を実現。導入後に「明日からICカードをQRチケットに変えたい」といったご要望にも、柔軟に対応できるようになっています。

振り返れば、1996年に全く売れなかったコンポーネント製品から始まった私たちの挑戦。失敗の連続だった「なっちゃん」時代の試行錯誤も、すべて今の「VisitView」を形作る大切なピースでした。

「過去の失敗や技術は、何ひとつ無駄にはならない」

これからも私たちは、来訪されるすべての人と、企業を迎えるすべての人にとって、最もスムーズでセキュアな「出会いの場」をつくり続けていきます。

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