【製品名】

Knowlbo/COM e-スタンプ(KnStamp)

【問合せ先】

株式会社ナルボ 03-3361-7755

 

 

【動作環境】

対応OS Word2000、Excel2000、PowerPoint2000が動作するOS

対応アプリケーション Word2000、Excel2000、PowerPoint2000

提供メディア CD-ROM

【価格】 標準価格 8,500円(税別)※注1

※注1:ライセンスあり

 

はじめに

 大半の企業にコンピュータが導入されている昨今、Officeのペーパーレス化が叫ばれつつも、遅々として進まない現状があります。これは日本独自の「紙の書類に判を押す」という文化が根付いていることと無関係ではありません。
 つまり、日常的に発生するさまざまな業務上の書類を、パソコン上でテンプレート化することはできても、「判を押す」という行為は、書類をプリントアウトした上での手作業となっているからです。
 仮に、この「判を押す」作業が、普段書類作成に利用しているアプリケーションのドキュメント上で簡単に行えるのであれば、非常にシームレスなワークフローが実現できるはずです。
 「Knowlbo/COM e-スタンプ(KnStamp)」(以降「e-スタンプ」)はこのような機能を実現するために、株式会社ナルボが開発したMicrosoft Office2000のアドインツールであり、ドキュメントに直接スタンプすることのできる電子捺印コンポーネントです。

製品概要

 同社の電子捺印コンポーネントには、先に製品化された「e-ハンコ」がありますが、この製品がActiveXコントロールとして、また、Webアプリケーションにおける利用形態であるのに対し、「e-スタンプ」は、オフィス現場で最も多くのユーザーが利用しているMicrosoft Office2000のWord・Excel・PowerPointで利用するためのものです(図1)。


e-スタンプは、
●操作の容易さ
●スタンプ書式の多彩なオプション
●他者の改ざんを防ぐためのセキュリティ機能
●スタンプのオートメーション制御
といった特徴を持ち、簡単な操作でありながら、利用者のニーズに答えるための十分なカスタマイズ機能を有する製品となっています。
 では、実際に、e-スタンプの特徴について詳しく紹介していくことにしましょう。



図1:e-スタンプを利用したExcelのドキュメント

ワンクリックでスタンプ挿入

 本製品は、主に、一般のOfficeユーザーの利用が想定されています。このため、製品のインストールから、実際のe-スタンプ利用までの一連の操作は驚くほど簡単です。
 e-スタンプは、COMアドインの形態で提供されるMicrosoft Office2000アプリケーションのアドインツールです。本製品をインストールすることで、自動的に対象アプリケーションすべてのメニューバーにe-スタンプのメニューが追加され、また同時にe-スタンプ用のツールバーも登録されます。つまり、一度のインストールで、Word・Excel・PowerPointすべてに共通の実行環境が提供されるのです。
 実際にe-スタンプで判を押すには、追加されたメニューから「スタンプ」を選択するだけの操作となります(図2)。
 挿入されたスタンプはWindowsメタファイル形式となっているため、ドキュメントの文字やピクチャ上に重ねて表示することができます。ただし、Wordの場合では、挿入直後は行内に固定された形となるため、ドキュメント内で自由に配置するためには、Wordの図の書式設定機能で、図の配置変更などの操作が必要です。



図2:ワンクリックでのスタンプ挿入


スタンプ書式のカスタマイズ

 スタンプ書式はe-スタンプのプロパティダイアログボックスで簡単に変更することができます。ダイアログではプレビューが表示されるため、特にヘルプなど参照しなくても直感的に操作できるようになっています(図3)。
 またこのダイアログでは、スタンプサイズ、フレームの形状や幅、スタンプカラーといった基本設定の変更のほか、スタンプの3つの構成要素「キャプション」「日付」「名前」を組み合わせた、8種類のスタンプタイプを指定でき、利用目的に応じたスタンプを作成することができます。


図3:プロパティダイアログでスタンプ書式をカスタマイズ
線吹き出し 2 (枠付き): 名前

 さらに、スタンプピクチャという、スタンプの背景に指定したピクチャを貼り込む機能が用意されています。この機能を使うことで、例えばスタンプの構成要素をすべてはずし、スタンプピクチャに会社のロゴなどを指定すると、オリジナルなロゴスタンプなどを作ることもできるのです(図4)。

図4:ロゴスタンプを作成する

e-スタンプのセキュリティ機能

 そもそも、ドキュメントに判を押すという行為は、当人が、確かにそのドキュメントを読み、内容を確認したという証です。実際の判を、他人が勝手に使えないように管理するのと同様に、パソコン上で押された判、すなわちスタンプも、他人が勝手に改ざんできないよう、保護されなければ意味がありません。
 e-スタンプには、「改版」と「保護」、2つの機能が備わっており、このオプションを使い分けることで、グループワークの中で柔軟にセキュリティを操ることができるようになっています。
 なお、表1をご覧いただければおわかりにように、この両機能は各アプリケーションで利用できる状況が異なります。両機能が提供されるのはWord2000のみですが、判を必要とする多くのドキュメントがWordで作成されている状況からすると、それほど不都合はないでしょう。
 それではこの両機能について詳しく見ていくことにしましょう。



表1:保護・改版機能が有効となるホストアプリケーション一覧

ホストアプリケーション

保護機能

改版機能

Word2000

Excel2000

×

PowerPoint2000

×

×



●改版機能による履歴管理
 e-<スタンプの改版機能は、Wordにのみ用意されている機能ですが、これはWordに「版の管理」という機能が備わっていることと関係しています。e-スタンプの改版機能に触れる前に、まずはこの「版」の概念を知っておく必要があります。
 仮に、あるグループで会議に提出する企画書をWordで作成することになったとしましょう。図5のようにAさんが企画書のたたき台を作り、上司のBさんが手直しをするものとします。一つのWordドキュメントファイルを上書きしながらどんどん作り変えていくことも多いのですが、「各人が手を入れた段階のドキュメントをそれぞれ履歴として残しておきたい」といったケースも考えられます。
 また、グループワークにこだわらなくとも、自分でドキュメントを作成しているときに、体裁など考えて作成過程のドキュメントを残しておきたいこともあるでしょう。
 もちろん、その過程のドキュメントを別名で保存するのも一つの方法ですが、Wordの「版の管理」機能を用い、各人がドキュメントを作成した段階で「版」として保存することにより、よりスマートな形でドキュメントの履歴管理が行えます。
 例えば先の例では、Aさんがドキュメントを作成した段階で通常の保存とは別に版の保存を行います。そしてそのドキュメントにBさんが手を加え、同じく版の保存を行ったとします。この時点でドキュメントには、2つの版が、このドキュメント内に保存されており、いつでも版を開いて内容を確認することができるようになっています(図6)。


図5:グループワークで作成するドキュメント


図6:ドキュメントの版を確認する

 ではe-スタンプの改版機能の場合、このWordの版の管理機能とどう関係するのでしょうか?
 改版機能は、「スタンプオプション」ダイアログで「改版」チェックボックスをオンにすることで有効になります(図7)。あとはこの状態でスタンプを押すと同時に、ドキュメントが新しい「版」として自動的に保存されます。つまり、スタンプ時に同期して版が作成されるため、ユーザーは意識することなく、スタンプが「いつ」「誰」によって捺印されたかという履歴をドキュメントに残せる仕組みになっているのです。
 さらに、改版保護オプションをオンにし、スタンプを押す各人がパスワードを設定することで、版のドキュメントのセキュリティをより高めることができるようになっています。

 なお、この版は、図6のダイアログで削除可能です。Wordでは版の削除時に確認メッセージも表示されることから、あえて強制的に版の削除を禁止せず、いろいろな意味でユーザーの使い勝手のバランスをとる形になっています。

図7:「改版」機能を有効にする

●保護機能による改ざん防護のセキュリティ

 保護機能は、文字通り、ドキュメントそのものを保護しパスワードを設定することで、パスワードを知らない第三者からの改ざんを防ぐことを目的としています。

 保護機能も、改版オプションと同様に「スタンプオプション」ダイアログで「保護」チェックボックスをオンにすることで有効となります。この状態でスタンプを押すと同時に、Wordの場合はコメントを除く文書全体、Excelの場合はデータ・オブジェクト・シナリオを対象としてシートを、それぞれ保護します。

 ドキュメントの保護は、各アプリケーションが備えているドキュメントの保護解除メニューを選び、パスワードを入力しなければ解除できません。すなわち、スタンプを押すと同時に、パスワードを知らない第三者からのドキュメントの改ざんを防ぐためのセキュリティがかかる仕組みとなっているわけです。

 ただし、一つ注意したいのは、グループワークにおけるパスワード設定です。例えば図8のように社内で稟議を通した後に、社外の取引先にドキュメントを送付するようなケースです。

 このような事例でe-スタンプを活用する一案としては、まず保護および改版と改版保護のオプションをすべてオンにしておきます。

 次にパスワードの設定ですが、改版保護のパスワードはスタンプを押す各人が責任を持って管理しますが、保護のパスワードは、グループ内で共通のものとして管理するようにします。こうすることで、版のセキュリティは保ちつつも、グループ内では自由にドキュメントの手直しが行うことができ、社外に対しては変更不可なドキュメントとして見せることができるというスタイルが出来上がります。

図8:e-スタンプのセキュリティ機能を利用した活用事例


オートメーション制御によるe-スタンプのカスタマイズ

 VB(Visual Basic)など、多少なりともプログラミングの知識は必要となりますが、e-スタンプは、オートメーション・サーバとして、オートメーション・クライアントから、より細かなレベルで制御することが可能です。

 およそのイメージとしては、対応アプリケーションでCOMAddinオブジェクトを取得し、このオブジェクトからデザイナ・オブジェクトを取得、さらにここからオートメーション・オブジェクトを取得します。このオートメーション・オブジェクトを操作することは、アプリケーションで「e-スタンプ」を扱うことと同じと考えればいいでしょう。

 オートメーション・オブジェクトのプロパティやメソッドなどは、ここでは言及しませんが、e-スタンプをオートメーション・クライアントから制御するに十分なものが提供されています。

 本製品のヘルプには、具体的にVBから、「StampControl.doc」という名前のWordドキュメントを起動し、指定した書式のe−スタンプを挿入する内容のサンプルコードが載っていますので、オートメーション制御の雰囲気をつかむのに役に立つはずです。

 また、VBなどの環境を持ち合わせていないユーザーでも、本製品対応のアプリケーションに搭載されているVBA(Visual Basic for Applications)を用いて、オートメーション制御を行うことも可能です。


最後に

 e-スタンプには、これまで紹介した機能の他にも、スタンプの印影の背景にアタッチノートという付加情報を埋め込むこともできます。アタッチノートでは、カラーをスタンプを挿入するドキュメントのベースカラーとあわせることで、表向きは見ることのできない情報として活用することができるようになっています。

 また、職場の環境によっては、一人で複数の判を使い分けたいこともあるかもしれません。残念ながら現バージョンでは、同時に複数のスタンプを使い分ける機能はサポートされていません。次期バージョンでは、このあたりの機能拡張もぜひ期待したいところです。

 一般のユーザーが日常業務の一端として利用するツールは、「操作がシンプルであること」という点が非常に重要なポイントとなります。その意味では、e-スタンプは非常に高いポイントを獲得し得る製品です。

 またグループワークを意識したセキュリティ機能なども十分実用に耐え得るものであり、「判を押す」という作業が多くの部署にまたがり、またその頻度が高い職場にとっては、導入してみる価値のある製品といえるでしょう。